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【伝統のマルキン自転車】歴史の1ページをご紹介

マルキン自転車は、1932年(昭和7年)よりおかげさまで87年が経ちます。
今回は、1960年前後(昭和35年前後)に利用されていたマルキン自転車をご紹介します。
その頃、日本ではサイクリングが人気となり、今では『ママチャリ』として定着している「買い物を目的とした女性向け自転車」の発売もされたという自転車にとってはとても重要な年代です。

こちらは、東京・品川区にある自転車文化センターにて昨年開催された『競技自転車の歴史展』に展示されていた『マルキン号高級車』です。
marukin1960



1950年代までの日本の自転車利用目的の中心は荷物の運搬でした。20kg以上の重い荷物を乗せても安定して運転することができるようにするために、車体や荷台が大きくがっしりとしており、しかも鉄製のため車体だけでも30kgはありました。したがってだれでも簡単に乗れるというわけにはいきませんでした。
しかし、1950年後半からバイクやトラックが普及してくると、荷物運搬手段が自転車からバイクやトラックに移行していきました。その過渡期で、運搬用自転車繁栄の末期に造られたのがこの「マルキン号高級車」です。
1960年のサラリーマンの平均月収が1万8000円のとき、自転車の販売価格は普及品が1万円、中級品が1万5000円、高級品が2万円でした。したがって多くの家庭では自転車は1台しか所有していませんでした。このため、運搬用とはいえ、ときには通勤や買い物のときにも使える多目的用でもあり、それまでの運搬用と比べると多少スマートで乗りやすくなっています。
マルキン自転車はテレビの普及とともに連日テレビ宣伝を行い、そのときのCMの1つのキャッチフレーズ「マルキン自転車ホイのホイのホイ…」は一世を風靡しました。
(『競技自転車の歴史展』展示パネルより引用)



▼細かいところまでこだわりのあるデザイン

Frame3
↑当時のロゴマークはこのようなデザインでした。

Frame
↑シートチューブ部分にも、違うデザインのマークがあります。

ChainCase
↑チェーンケースにも「MARUKIN」とロゴが書かれています。

handle
↑ヘッドパーツもロゴマーク入りです。

Fork
↑さらに細かいのが、こちら。フロントフォークのフォーク肩にもロゴマークが入っています。

Fender
↑特徴的なのが、前泥除けに施された羽の形をした飾りです。自動車のエンブレムのように、立体的になっています。

マルキン自転車は、時代の変化に順応しつつ、根底にある『自転車の品質』を第一に考え皆様に自転車をお届けしてきました。長い歴史を誇りに、これからも皆様に愛される自転車を作り続けていけるよう頑張ってまいります。

▼自転車文化センターについて

現在はマルキン自転車の展示は行われていませんが、自転車文化センターには自転車に関する書籍約9,000冊をはじめ、希少な歴史的自転車、部品やポスターなど自転車に関する資料が所蔵されています。自転車の歴史が知りたい、または自転車に関連する雑誌や資料を読みたいという方は、ぜひ足を運んでみてください。

<自転車文化センター>
〒141-0021 東京都品川区上大崎3-3-1 自転車総合ビル1F
JR山手線、東京メトロ南北線/都営三田線/東急目黒線 「目黒駅」より徒歩3分
Tel. 03-4334-7953 Fax. 03-4334-7958
[開館時間] 9:30〜17:00(最終入館16:45)
[定 休 日] 月曜日(祭日の場合は翌平日)・年末年始
[入 館 料] 無料
ホームページ:http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/

2017.01.19

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